2018年5月30日 蚤とり侍 (2018-05-31)

2018年5月30日蚤とり侍

2018年5月30日 蚤とり侍

 

 痛快時代劇です。今回の作品で鶴橋康夫という映画監督と、原作の小松重男という作家を知りました。明日、図書館で小松重男を検索して、蔵書が有ったら借りてみます。

 鶴橋作品で2016年公開の映画『後妻業の女』は観ました。主演の大竹しのぶは好きな女優ですが、あまりこの作品として好きになれませんでした。主演の大竹しのぶが少し下品だったような気がします。監督としてそういう風に描きたかったのでしょうが、他のキャスティングも含め、あまり好感が持てませんでした。

 この『蚤とり侍』は脚本もキャスティングも素晴らしい作品であると思います。どの場面も面白かったですが、最も印象に残った場面は、阿部寛演じる主人公:小林寛之進と寺島しのぶ演じる“のみとり”客のおみねとの濡れ場と主人公が教えを乞う清兵衛役の豊川悦司と女郎役の飛鳥凛の濡れ場が交差するシーンです。

 小林寛之進はエリートです。越後長岡藩の勘定方書き役でさらに御前試合で16人抜きした剣術の名士です。“清廉潔白”“質実剛健”などんぐり眼の男が歌会の場で、藩主・牧野備前守忠精に大恥をかかせてしまったため、左遷され、その左遷先が“猫の蚤とり”だったのです。しかし、“蚤とり”は密売夫=男娼でもありました。主人公の小林寛之進は最初「この、下手くそが」と言われ、それを克服するために、ここでも真面目に取り組むのですが・・・。

 私は62歳ですので、人生すでに半分以上過ぎてしまったことは確かです。結構、その場その場で頑張って生きてきたという思いもあります。しかし、若いころに、もう少し“性”に真面目に取り組むことができていたらなぁ と思うこの頃です。何事も、他人が何と言おうが真面目に取り組めばそれはそれで『それも人生』だと思うのですが、いかがでしょうか?