2019年5月28日「空母いぶき」 (2019-06-05)

190528「空母いぶき」

 

 この映画は、今後の日本が戦争をするということがどういうことかということを教えてくれた映画でした。

 日本が戦争をすることなんか考えたくないという人はたくさんいることと思います。でも、考えたくないことが起こるのが世の中ではないかと思うのですが、日本は言霊の国ですから、悪いことを言葉にして発するとそのことが起こってしまう、だから、日本が戦争をすることを考えたくない人が大勢みえるのでしょう。たぶん、日本が戦争をすることを考えなければ、北朝鮮はミサイルを飛ばさないし、中国も尖閣諸島への領海侵犯も起こさなくなるから、辺野古にも基地は必要ない・・・となれば良いのでしょうが、・・・。

 映画は漫画と違って中国が相手ではなく、架空の東亜連邦という国が最南端の島を占有し、海上保安庁の隊員を拘束したとストーリーでした。これは、日中関係への配慮でしょう。

 戦争と戦闘の違いは、西島秀俊演じる航空機搭載型護衛艦「いぶき」艦長:秋津竜太が「戦闘とは自衛隊員に被害者が出たときを言い、戦争とは日本国民に被害者が出た時を言う。だから、日本は、自衛隊は絶対に戦争を起こしてはいけないのだ。自衛隊の任務は自衛隊員に被害者:死者が出たとしても戦闘で食い止めなければいけない。」という言葉が印象に残りました。

 戦闘シーンは、自衛隊は本当にこんなふうに考えて戦闘をするのかと思いました。ミサイルを打つ前に相手側の被害を想定して、この攻撃は止めて、別の攻撃にしよう。なんてことを考えていたら、一瞬でやられてしまうと思うのですが・・・。

 ネタバレになりますが、戦闘機から脱出して助かった自衛隊パイロットが、同じく戦闘機から脱出して捕虜になった相手側パイロットに殺されるシーンには泣きました。お守りのお子さんと奥様の写真が想像をかきたててつい涙腺が緩みました。

 世の中には、「蟻の一穴天下の破れ」といって、大事は、ほんのささいなことから起こる。ちょっとしたことが原因で、大変なことになるという諺があります。しかし、日本国民はもう自衛隊を認めてもいいのではと思います。阪神大震災の時に兵庫県知事が自分の信条から自衛隊の出動を要請しませんでした。助かる命も助けられなかったのではと思います。自分の信条は大事にしてもらって構いませんが、非常時には自分の信条より人の命でしょう。

 ということで、いろいろな思いを思い起こさせる映画でした。