20210529いのちの停車場 (2021-06-12)

20210529いのちの停車場

 

 この映画を観たいと思ったのは、NHKの「あさイチ」に現職のお医者さんが出演しているのを観たからです。

 番組で南杏子さんの経歴を聞いて驚きました。30代で子育てしながら医学の勉強をして医学部に入学して医者になり、55歳で小説家デビューしたという経歴は、本当にこんな人いるんだと思いました。そして、終末期医療に従事してこの小説を書いたというのは信じられません。頭の良し悪しではなくて、こうなりたい自分になってしまう力を感じました。番組でも、この映画で吉永小百合さんと共演して映画俳優デビューしたと楽しそうに話していたのが印象的でした。でも、本人はいたって普通で、その普通さがとても良かったです。

 そして映画の主演は吉永小百合さんです。すぎですね。1945年生まれです。私よりも10歳上です。大スターですから、映画界では多少のわがままが効き、本人のやりたいものをやっている感がありますが、それでもできることが偉大です。

 最初に、ひとりで寂しく歩いている姿は、歳を感じましたが、その他はシーンでは、設定どおり50歳前後の女医さんを立派に演じていました。他の配役は、西田敏行、広瀬すず、松阪桃李、田中泯です。

 ちなみに、田中泯は吉永小百合と同じ年ですが、今回は父親役を演じました。本人も違和感は一瞬で消し飛んだと言っているように違和感は、全く感じませんでした。松阪桃李の人のいいお兄ちゃん役、広瀬すずの訳あり看護婦も良かったです。

 最後は、考えさせました。ただ、「まほろば診療所」の在宅患者を増やしてしまったのにそれはどうかとも思いましたが、親子の愛情と医者の倫理と考えさせられる映画でした。