202204025 英雄の証明 (2022-04-25)

202204025 英雄の証明

はじめて、イランの映画を見ました。映画・comから解説をそのまま引用し

ます。

解説:「別離」「セールスマン」でアカデミー外国語映画賞を2度受賞するなど世界的に高い評価を受けるイランの名匠アスガー・ファルハディーが手がけ、2021年・第74回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したヒューマンサスペンス。SNSやメディアの歪んだ正義と不条理によって、人生を根底から揺るがす事態に巻き込まれていく男の姿を描く。イランの古都シラーズ。ラヒムは・・・。

2021年製作/127分/G/イラン・フランス合作
原題:A Hero
配給:シンカ

結構、映画の舞台のイラン社会が初めてで異質で新鮮でした。監督のファルハディーは名匠でしょう。カンヌ国際映画祭のグランプリも頷けます。盗作疑惑でアカデミー賞国際映画賞にはノミネートされなかったようです。国際映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カーにはラッキーだったかもしれません。まさしく映画と同じで「人間万事塞翁が馬」ですね。

この映画も、まさしくSNS時代の光と闇を表した映画です。

イランでは、借金を返せないと刑務所で服役しないといけないのですね。離婚した嫁の兄からの借金が返せなくて収監された主人公ラムヒですが、借金が返せれば出所できるというのも驚きです。更に驚きなのが、刑務所にも休暇が認められているのです。もっと驚きなのがこの国では、ラスト近くで出てくるのですが、死刑囚の施行も保釈金(お金)で中止されるのです。

 

ラムヒが休暇中に刑務所から出たところから物語は始まります。新しい恋人が金貨が17枚入ったバックを拾いました。恋人はこのお金でラムヒの出所を助けようとしますが、ラムヒは持ち主を探して返すことにします。その善行が新聞、テレビで取り上げられて、彼は一躍、善行の囚人として有名になります。慈善団体から、彼の出所を助けるために寄付金まで集まります。ところが、新しい職場の上司になる男は、本当の話かどうか、金貨の持ち主を連れてきて証明しろといいます。金貨を落として返した女性がどこの誰だったかわからず・・。やがて、ラムヒのつくり話ではないか、とSNSで世論が高まります。父の無実を訴える、罪のない吃音症の息子まで巻き込んで。

 

私の人生訓は「人間万事塞翁が馬」と常々述べています。まさしくこの映画は良かったことが悪かったことの原因になり、悪かったことが良かったことになったりするとても深い映画でした。